「2020年度グッドデザイン賞」
受賞物件
ルネ麻布十番ビル
東京中心部に、
商店街の界隈性と 地域のランドマーク性を兼ね備えた
ホテル・店舗による 複合施設を創造する。
東京中心部の商店街・麻布十番商店街に面した、
麻布十番温泉跡地に建つ中規模ホテル・店舗の新築商業施設です。敷地が面する交差点部は、
元麻布から鳥居坂を結ぶ道路と商店街が交わる地域一帯の重要な都市ノード(結節点)。かつて地元の憩いの場所でもあった地に、
活力溢れる商店街の界隈性と地域のランドマーク性を兼ね備えた地域特性を読み解きながら、敷地に接する交差点部を
広場のようなオープン空間として創出。商店街の賑わいの継承と街の中に滞在する愉しみを重視した
宿泊空間を追求しました。また建築においては、
画一的で経済効率を優先した計画による表層的なデザインから距離を置き、 街の顔を担う都市施設として捉え、 「都市ノード(結節点)の再興」を目指しました。<評価されたポイント
~審査員による評価コメント>現場を見れていないのだが、いまだに十番温泉がなくなって建築が建っていることがイメージできない。
そして、そのようなノスタルジックに勝手に浸る外野がきっとひしめいていると思われるが、 写真で見る限り、その外野を黙らせて、そしてむしろかつてよりずっとここにあり、 この十番を見守ってきたとすら思える風格のようなものを持っていそうである。 それは新たなホテルという機能からではなく、 横に拡がった水平の昭和の仏閣的な佇まいとしての、デザインがなす技によるもの、なのであろう。